猫が食べてはいけない植物20種!【後編】近くに置いては絶対ダメ!

猫が食べてはいけない植物20種の前編を下記のページでご紹介しました。

猫が食べてはいけない植物20種!【前編】室内に置いては絶対にダメ!

このページでは、後編の10種をご紹介しています。

 

猫が食べてはいけない植物後編10種

猫が食べてはいけない植物後編10種
No. 植物名 危険度
11 キョウチクトウ 4
12 イチイ 4
13 トウゴマ 4
14 アサガオ 4
15 ホオズキ 4
16 スイセン 3
17 アマリリス 3
18 ポインセチア 3
19 キク 3
20 アジサイ 3

 

キョウチクトウ/全て

キョウチクトウには、強心配糖体(きょうしんはいとうたい)の「オレアンドリン」が含まれています。

木を折ったときに出る白い液体や、生木を燃やした煙にも毒性があります。また、周辺の土壌や生け花にした花瓶の水にも毒性があります。

猫がキョウチクトウを摂取すると、嘔吐、下痢(血便)、激しい腹痛、不整脈を起こす可能性があります。

キョウチクトウ科のニチニチソウ(ビンカ)、ツルニチニチソウ、プルメリアにも毒性がありますので注意が必要です。

 

イチイ/果肉を除く全て

クリスマスの飾りやクリスマスツリーにも使われるイチイですが、「タキシン」という有毒な物質が含まれています。

赤い仮種皮(種衣)と呼ばれる部分は食べることができますが、人でも安易に食べない方が無難です。種には強い毒性があり、数粒摂取するだけで死に至ることがあります。

タキシンは心臓毒の一種で、猫が摂取すると、嘔吐、よだれ、筋肉の震えといった症状が現れます。重度になると、ひとみが大きくなる散瞳(さんどう)、呼吸困難、不整脈を起こす可能性があります。

 

トウゴマ/全て(特に種)

トウゴマには、「リシン」と呼ばれる猛毒な物質が含まれています。特に種子の部分に多く含まれていて、リシンは、青酸カリより強い毒性があると言われています。

猫がトウゴマの葉を摂取すると、口の炎症、嘔吐、下痢、重度になると腎不全やけいれんを起こすことがあります。

猫がトウゴマの種子を1粒でも摂取すると、血中酸素濃度の低下、皮膚が青っぽくなるチアノーゼという症状が現れる可能性があります。また、血便、呼吸困難、昏睡状態になり、死に至ることがあります。

ひまし油(キャスターオイル)
ひまし油は、トウゴマの種子から採取された植物油です。圧搾・圧抽(あっさく・あっちゅう)の段階で加熱処理されると、リシンは分解され無毒になります。また、リシンは油に分配されない(溶けない)ので、ひまし油にはリシンが含まれていません。

 

アサガオ/種子

西洋朝顔(オオバアサガオ、ヘブンリーブルー、フライングソーサー、パーリーゲート、スカーレットオハラなど)の種子には、「リゼルグ酸アミド(LSA)」という幻覚症状を引き起こす物質が含まれています。

猫が西洋アサガオの種子を食べると、嘔吐や下痢といった症状が現れます。大量に摂取した場合は、幻覚を引き起こす可能性があります。

一方、日本のアサガオには、「ファルビチン」、「コンボルブリン」といった毒性の物質が含まれています。

猫が日本のアサガオの種子を食べると、嘔吐、激しい下痢、血便、血圧低下といった症状が現れます。ヒルガオ、ヨルガオの種子にも注意が必要です。

 

西洋朝顔と日本朝顔の違い

葉の表面に毛があるのが西洋朝顔です。また、西洋朝顔は、8月の後半頃から咲き出し、昼間でも咲いているのが特徴です。

ユウガオ(夕顔)

ユウガオは、ウリ科ユウガオ属で、アサガオとは別の植物です。ヒョウタンの苦味の少ないものを分化・選別し、食用としたのがユウガオであると言われています。実を長くさいて加工したものが、巻き寿司などに使う「かんぴょう」です。

ただし、ユウガオの実を食べて中毒を起こすこともあります。人の場合、唇のしびれ、吐き気、おう吐、腹痛、下痢といった症状が現れます。

チョウセンアサガオ

アサガオと名前についていますが、チョウセンアサガオはナス科で、アサガオとは別の植物です。チョウセンアサガオ全体に、有毒の「ヒヨスチアミン」、「アトロピン」、「スコポラミン」を含んでいます。

猫がチョウセンアサガオを摂取すると、興奮、瞳孔の散大、心拍促進、意識混濁、麻痺、頻脈といった症状が現れます。

人では、チョウセンアサガオの根とゴボウを間違え、開花前のつぼみとオクラを間違え、葉をモロヘイヤ、アシタバなどと間違え、種子とゴマを間違え摂取した結果、中毒を起こしたという事例が報告されています。

 

ホオズキ/全て

観賞用のホオズキには、主にナス科特有の「ソラニン」という毒性の物質が含まれています。特にホオズキが青く未成熟な時期にソラニンの濃度が高いと言われています。

ソラニンは神経に作用し、猫が摂取すると、嘔吐、下痢、頻脈、食欲減退などの症状が現れます。

また、観賞用のホオズキには、チョウセンアサガオと同じく「アトロピン」という毒性の物質が含まれています。

アトロピンも神経に作用し、猫が摂取すると、心拍促進、頻脈、血圧低下などの症状が現れます。

さらに、ホオズキの根には、子宮収縮作用のある「ヒストニン」という物質が含まれており、人においては妊娠中の女性に対して注意喚起されています。猫やその他の動物に関しては不明です。

日本ではお盆の時期に仏壇の前に吊したり、仏壇に添えたりしますが、ホオズキで猫が遊ばないように、飼い主さんは注意しましょう。

 

スイセン/全て(特に球根)

スイセンには、「リコリン」、「タゼチン」、「ガランタミン」などの有毒な物質が含まれています。これらの物質は、特に球根に集中しています。

猫がスイセンを摂取すると、胃の炎症、嘔吐、下痢といった症状が現れます。大量に摂取すると、けいれん、低血圧、ふるえ、不整脈を起こします。

また、球根の外層には「シュウ酸カルシウム結晶」が含まれているので、猫が球根に触れると、皮膚の炎症、唾液分泌過多を起こす可能性があります。

 

アマリリス/全て(特に球根)

アマリリスは、スイセンと同じくヒガンバナ科の植物です。ヒガンバナ科の植物には、「リコリン」や「ガランタミン」などの有毒な物質が含まれています。

人では、ヒガンバナ科の葉はニラ、鱗茎(りんけい/地下茎、球根)はタマネギなどと誤食されることが多く、毎年のように食中毒事例が報告されています。

猫がアマリリスを摂取すると、スイセン同様の症状が現れる可能性があります。猫がアマリリスの球根に接触した場合も同様です。

ヒガンバナ科の植物
・アガパンサス(ムラサキクンシラン/紫君子蘭)
・アキザキスノーフレーク
・アマリリス
・イキシオリリオン
・キルタンサス(笛吹水仙(ふえふきすいせん)、ファイアーリリー)
・クリダンツス
・クリナム
・グリフィニア
・クンシラン(君子蘭、ウケザキクンシラン)
・スイセン(水仙)
・ステルンベルギア
・スノードロップ
・スノーフレーク
・スプレケリア(ツバメズイセン)
・ゼフィランサス
・チャイブ
・ナルキッスス バルボコディウム
・ネリネ
・ハエマンサス
・ハブランサス(レインリリー)
・パンクラチウム
・ヒメノカリス
・ブーファン
・ブルーアマリリス(ウォースレヤ)
・プロイフィス(ユーリクレス)
・ベラドンナリリー
・リコリス(ヒガンバナ(彼岸花)、マンジュシャゲ(曼珠沙華))
・リューココリネ
※タマネギ、ニラ、長ネギなどもヒガンバナ科ですが、ネギ属植物にはリコリンなどの有毒物質は含まれていません。ただし、猫がネギ類を食べるのはNGです。

 

ポインセチア/樹液

クリスマスの時期に部屋に飾る植物として人気のポインセチアですが、猫にとっては迷惑なことのようです。

ポインセチアの乳白色の樹液には、「ジテルペノイドユーフォルボールエステル」という有毒な物質が含まれています。

猫が白い樹液に皮膚や目が触れると、皮膚の炎症(発赤、腫れ、かゆみなど)、目の炎症を起こす可能性があります。

猫が摂取すると、嘔吐、よだれ、下痢といった症状を引き起こすこともあります。

ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)は、「一般的に毒性が過大評価されている。」としていますが、猫が不快な思いをすることに変わりはありません。

 

キク科/全て

キク科の植物には、「セスキテルペン」、「ピレトリン」、「アラントラクトン」などの毒性の物質が含まれています。

猫がキク科の植物に触れると、皮膚炎を起こす可能性があります。また、摂取すると、嘔吐、下痢、よだれといった症状が現れます。

気をつけたいよく知られているキク科の植物
・菊
・マーガレット ※ブルーマーガレットは猫には無毒
・デイジー(デージー、ヒナギク) ※ブルーデイジー(ブルーデージー)は猫には無毒
・ダリア
・ノースポール(クリサンセマム)
・フジバカマ
・カモミール(ローマンカモミール)

 

アジサイ/全て

<従来の説明>
アジサイには、青酸配糖体の「アミグダリン」という物質が含まれています。アジサイを摂取すると、アミグダリンは体内で分解され、青酸(シアン化物)が生成されます。

アミグダリンは、アジサイの葉、つぼみ、茎に集中し、猫が摂取すると、嘔吐、下痢、胃腸炎を起こす可能性があります。

<最近の研究では>
アジサイには、青酸配糖体が含まれると言われていますが、定かではありません。また、アジサイの毒性成分は未だ明らかにはなっていません。

しかし、人では、料理に添えられたアジサイの葉を食べて、嘔吐やめまいといった中毒症状を起こしたという事例が報告されています。

よって、猫も同様のアジサイ中毒にかかる可能性があるので、注意が必要です。

参考:「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ」(厚生労働省)

アマチャ(甘茶)
アマチャは、ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木で、ヤマアジサイの一変種と言われています。アマチャの若い葉を蒸して、乾燥させたものを煮出して飲むお茶が「甘茶」です。甘みは砂糖の1000倍と言われています。4月8日の釈迦の誕生日には花祭りが開かれ、甘茶がふるまわれることがあります(旧暦の5月8日に開催されることも)。しかし、濃く煮出した甘茶を飲むと、中毒症状を起こす可能性があります。花祭りで甘茶を飲んだ園児や児童が中毒症状を起こしたという事例が報告されています。よって、猫に薄い甘茶でも飲ませるのはNGです。アマチャとガクアジサイは似ているので、注意が必要です。

 

まとめ

猫が食べてはいけない植物後編10種をご紹介しました。

>>前編はこちらです。

猫が食べると危険な植物は、まだまだあります。前編でも書きましたが、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)は、400種以上を猫に危険な植物としてリストアップしています。

その中から、日本で人気の花や植物を40ページもさいて掲載している『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑』(ねこねっこ)は、おすすめの一冊です。

猫のまわりには、危険な植物がたくさんありますが、猫に安全な植物もあります。猫に安全な植物については以下のページに書いています。

>>猫に安全な花の咲く植物33選!日本で人気の花を厳選!

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