猫が脱走してから帰ってくる確率は?どこで見つかったの?

クイーンズランド大学獣医学部(オーストラリア)の研究チームによると、調査した1210匹の脱走猫の内、7日以内に発見されたのは34%だそうです。

30日以内は50%、60日以内は56%、1年以内は61%になると報告しています。
※調査された猫は、アメリカ、オーストラリア、カナダなど12カ国です。

また、発見された猫は、50%が脱走地点から50m以内、75%が500m以内で見つかっています

非常に好奇心の強い性格の猫は、他人の家の中で発見される可能性が高いようです。※元来、猫は好奇心の強い動物ですが、その中でも特に好奇心が強い性格の猫を指します。

このことから、脱走した最初の1週間、徹底的に探す必要があると研究チームは言っています。

ここまでのまとめ
・猫が脱走してから7日以内に帰ってくる確率は34%。
・1年以内に帰ってくる確率は64%。
・脱走した猫の50%は、脱走地点から50m以内で発見されている。
・好奇心の強い性格の猫は、他人の家の中で発見されている。
・脱走した最初の1週間、徹底的に探す必要がある。

 

猫自ら帰ってくる確率は?

猫自ら帰ってくる確率についての資料はありませんが、完全室内飼いの場合、猫自ら帰ってくる確率はとても低いと言われています。

そもそも外の世界を知りませんので、戻る経路がわからなくなると思われます。

臭覚は人間よりすぐれていますが、犬ほどではありません。

しかし、完全室内飼いの場合、逃げ場の近くで見つかる傾向があります。

一方、屋外にも出ることができた猫は、ふらっと帰ってくる確率は高いです。

ただし、猫は家につくと言われるように、新しい環境が気に入ったら保護先の家に居着くのではないかと思われます。

 

どこを探す?

先に書きましたように、脱走した猫の50%は、脱走地点から50m以内で、75%が脱走地点から500m以内で見つかっています。

上の図を見ると、1000m以内で見つかる猫がほとんどになっています。

完全室内飼いである場合、猫にとっては縄張りの外に出ることになります。

勢いよく家の外に出たのはいいのですが、縄張りの外なので、おじけづいて家の近くでじっとしている可能性があります。

さて、どこを探せば見つかるのでしょう。

 

室内をもう一度確認する

わずかですが、4%の猫が自宅内で見つかっています。

<見つかった場所>
・家具の後ろまたは下(33%)
・地下室(33%)
・ベッドルーム(22%)
・ソファやベッドなどの中(ボックススプリング部分、11%)
欧米と室内環境は違うと思いますが、ちょっとしたすき間に入ってしまい、出てこられなくなった。あるいは、音に驚いて隠れているという状況が考えられます。

私が昔飼っていた猫は、天井裏にいたことがあります。

 

自宅の敷地内

自宅の敷地周りを細かく探してみましょう。

<見つかった場所>
・庭(20%)
・家の外で待っていた(19%)
・植物や低木の下に隠れていた(16%)
・家の床下やデッキの下(10)

「家の外で待っていた」というのは、玄関などのドアが開くのを待っていたのだと思います。

 

近所の家

<見つかった場所>
・ガレージ(28%)
・家具の後ろまたは下(22%)
・地下室(13%)

猫が行方不明になったら、すぐにご近所に知らせましょう。

チラシを作ってポストに投函するのも有効です。

 

脱走防止の対策

脱走する割合は、オスが圧倒的に多いと思われがちですが、調査からオスの方が若干メスより上回る程度だということがわかりました。

年齢は、やはり活発に動く1~7歳が多いですね。

ただ、脱走猫の4分の1はシニアですので、シニアにも注意が必要です。

 

脱走防止策をつける

猫が室内にいた場合、74%が開いたドアやガレージから脱走しています。

このことから、玄関やガレージにつながるドアに防止柵をつけると効果的です。

次に多いのが、窓から飛び出したというケースです。

夏は網戸にして窓を開けるなら、網戸にロック(ストッパー)を取り付けましょう。

 

迷子札やマイクロチップ

最近はいろんなタイプの迷子札(IDタグ)が売られています。

猫の場合、必ず首輪に取り付ける必要がありますね。

2022(令和4)年6月1日より、マイクロチップの装着が義務化されます。

対象となるのは、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫です。

ブリーダーやペットショップ等で購入するとマイクロチップが皮下に装着されていますので、新たに飼い主の情報に変更する手続きが必要です。

販売業者以外から譲り受けた場合、装着するのは努力義務です。

また、現在飼っている猫の場合も努力義務です。

いったんマイクロチップを装着すると、飼い主の情報の登録・変更は義務になります。

マイクロチップの装着は獣医師がおこないます。

猫が帰ってくる確率が高くなりますので、検討してもいいかと思います。

マイクロチップに関してはこちらの記事を参考にしてください。
>>マイクロチップの義務化!今飼っている猫にも装着するの?

 

参考文献:Huang, L., et al. (2018). Search Methods Used to Locate Missing Cats and Locations Where Missing Cats Are Found. Animals, 8(1), 5.

スポンサーリンク
猫の話題
IenekoWebをフォローする
タイトルとURLをコピーしました