猫が何もしていないのに噛んでくる原因と対処法

「(飼い主さんが)猫に対して何もしていないのに、猫がいきなり噛んでくる」ので困っているのではないでしょうか。

猫が何もしていないのに噛んでくるのは、「遊びの延長」か「狩りの行動」によるものが大半です。その他として、病気が原因で噛んでくる場合もあります。

飼い主さんの冷静な対応で、突如の噛みつきは治まりますが、対応を間違えるとさらに激しくなることもあります。

この記事は、猫が何もしていないのに噛んでくる原因と対処法について書いています。

 

原因1「遊びの延長」

本来なら、兄弟姉妹と時には取っ組み合いのけんか(じゃれ合い)の中で、相手に噛みつくことがあります。また、母猫に噛みついたりもします。

噛みついたとき、相手は大きな鳴き声をだしたり、母猫ならその子を叱ります。

こうしたことで、子猫は、遊びで強く噛むとダメだということを学び、社会化していきます。猫の社会化期は、2~3週齢から始まり、7~9週齢で終わります。

社会化している子なら、遊びの延長で突然飼い主さんに噛んだとしても、いわゆる「甘噛み」になります。※甘噛み(あまがみ):やさしく・軽く噛むこと

もし、飼い主さんに痛いほど強く噛んでくるなら、母猫や兄弟姉妹と早く引き離されたため、社会化できていない子だと思われます。

<対処法>
猫に強く噛まれたら「痛いっ!」と、思わず声が出ると思います。出ない場合でも「痛いっ!」と言って別の部屋に移動します。

大きな声で「痛いっ!」と言うと、おびえて近づかなくなることもあるので、軽く言うようにしましょう。

言葉で叱ったり、叩いたり、叩くようなしぐさをしてはいけません。猫を無視するかのように、その場から立ち去るのが効果的な対処法です。

飼い主さん自ら反撃して、例えば、手を使って猫の体を噛みつくようなまねをしてはいけません。飼い主さんとしてはじゃれ合いのつもりでも、かえって猫の攻撃性が高まる可能性があります。

 

原因2「狩りの行動」

「狩りの行動」が「遊びの延長」と違う点は、噛むに至るまでの行動です。

狩りをするときと同じように、姿勢を低くして、ゆっくり足音を立てずに近づき、一気に飛びかかり噛みつきます。

「何もしていないのに」と思われるかもしれませんが、例えば、飼い主さんの足音です。

飼い主さんの足音に反応して待ち伏せをし、飼い主さんが近づいたとき、飼い主さんの足に噛みつくことがあります。

また、飼い主さんの髪の毛の「揺れ」に反応して、髪の毛に噛みつくなど、飼い主さんの動きや音から獲物とみなし、本能的に狩りの行動に入ってしまいます。

<対処法>
この場合も叱ってはいけません。言葉で叱ったり、叩いたりすると、より攻撃的になる可能性があります。

完全室内飼いなら、狩りができませんので、狩りの本能・狩りができないストレスを別で満たしてやる必要があります。

飼い主さんが、手の指や足を動かして、猫の飛びつかせるといった遊びはよくありません。必ずおもちゃを使うようにします。

「猫じゃらし」など、狩りの模擬ができるおもちゃでストレスを発散させましょう。

十分遊んだ後、おやつをあげると効果的です。飼い主さんと狩りの模擬ができるおもちゃで遊ぶとおやつがもらえることを覚えさせることで、飼い主さんを噛む猫の行動が解消されます。

 

原因3その他

少数ですが、その他についても少し触れておきます。

遊びの延長でも狩りの行動でもないと思われたら、悩まずに獣医師に相談するようにしましょう。

痛みや病気による噛みつき

関節炎や感染症など、猫が痛みを感じている場合、突然噛み始めることがあります。

その他、可能性がある病気として、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、歯科疾患、てんかん、うつ病、認知機能障害などがあげられています。

特発性

飼い主さんを噛むに至るまでの行動や病気の検査では、原因を特定・説明できない攻撃行動を「特発性(とくはつせい)攻撃行動」と言います。

特発性攻撃行動は、「激怒症候群」、「突発性激怒症候群(レイジ・シンドローム)」とも呼ばれ、何の前触れもなく、突然近くにいる人や動物に噛みついたりひっかいたりするのが特徴です。

猫の特発性攻撃行動については、まだよくわかっておらず、「てんかん」と関連づけられることがあります。

欲求不満

欲求が満たされないとイライラがつのり、飼い主さんを噛んだりすることがあります。

猫の欲求不満は、空腹、遊び、音、嫌な匂い、不衛生な環境などに向けられます。

例えば、大きな音は、道路工事などの外の音に限ったことではありません。テレビなどの音がする部屋にトイレが置かれていると、猫にとってはストレスになることがあります。

これらを一つ一つ解決することで、欲求不満は解消されます。

ただ、飼い主さんがまだ寝ているのに、朝早くからごはんを要求することがありますが、飼い主さんの生活ペースに猫が合わせるように仕向けるのも大切なことです。

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