愛猫はチーズ好き!与えてよいチーズとダメなチーズ一覧

「愛猫がチーズを食べたがるけど、与えても大丈夫なのかな…」と心配になる方もいるでしょう。猫はチーズが好きなことが多いですが、すべてのチーズが安全とは限りません。愛猫にとって健康に悪影響を及ぼすことがあるため、与えるチーズには注意が必要です。

この記事では、愛猫に与えてよいチーズと避けるべきチーズについて解説します。猫がチーズを好む理由や、健康への影響を考慮した選び方についても触れています。愛猫の健康を守りつつ、楽しいおやつタイムを過ごすための情報をお届けします。

 

猫がチーズ好きな理由とは?

猫が「チーズ好き」とされる理由には、香りと味覚が関係しています。チーズの強い香りは猫の嗅覚を刺激し、興味を引く要因となります。また、猫は甘味を感じにくい一方で、脂肪分を好むため、チーズのクリーミーな食感が魅力的に感じられるのです。

しかし、注意点がありますので、合わせてみていきましょう。

 

猫の味覚とチーズの関係

猫の味覚は人間とは異なり、「甘味」を感じることができませんが、「うま味」や「脂肪分」には敏感です。このため、チーズの「濃厚な風味」や「クリーミーな食感」が猫の嗜好を引きつける要因となっています。

さらに、チーズに含まれる「タンパク質」や「脂肪」は、猫にとって魅力的な栄養源と感じられることがあります。しかし、猫は「乳糖不耐症にゅうとうふたいしょう」であることが多いため、チーズを与える際には注意が必要です。過剰に摂取すると「消化不良」や「下痢」を引き起こす可能性があります。適切な量を守り、猫の健康を考慮した食事を心がけましょう。

 

チーズの香りが猫を引きつける理由

チーズの香りが猫を引きつける理由は、その「独特な香り」にあります。猫は嗅覚が非常に発達しており、チーズの豊かな香り成分が猫の興味を引きます。特に、チーズに含まれる酪酸やカゼインが猫にとって魅力的に感じられることが多いです。

また、チーズの脂肪分も猫にとっては魅力的な要素となります。猫は肉食動物であり、脂肪分を好む傾向があるため、チーズの香りは食欲をそそる要因となるのです。このように、チーズの香りが猫を引きつけるのは、嗅覚と食欲を刺激する多くの要素が含まれているからです。

 

猫がチーズを食べるときの注意点

猫が「チーズ」を食べる際には、いくつかの注意点があります。まず、猫は乳糖不耐性を持つことが多く、乳製品を消化しにくいです。そのため、少量のチーズでも「消化不良」を起こす可能性があります。

また、「高脂肪」のチーズを与えると、肥満や「健康問題」を引き起こすリスクが増えます。安全性を考慮し、「低脂肪」かつ乳糖が少ないチーズを選びましょう。さらに、初めて与える際はごく少量から始め、猫の体調を観察することが重要です。

もし異常が見られた場合は、すぐに「獣医師」に相談してください。チーズはあくまでご褒美として与え、猫の主食にはしないように心掛けましょう。

 

猫に与えてよいチーズの種類

文部科学省の「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」に掲載されている15種のチーズの「塩分相当量」、「炭水化物量」、「脂質量」、「カロリー」についてまとめたのが下の表です。

判定 チーズ名 5gあたりの
食塩量(g)
5gあたりの
炭水化物量(g)
5gあたりの
脂質量(g)
5gあたりの
カロリー(kcal)
× エダム 0.100 0.070 1.250 16.05
エメンタール 0.065 0.080 1.680 19.90
カテージ 0.050 0.095 0.225 4.95
× カマンベール 0.100 0.045 1.235 14.55
クリーム 0.035 0.115 1.650 15.65
× ゴーダ 0.100 0.070 1.450 17.80
× チェダー 0.100 0.070 1.690 19.50
× パルメザン 0.190 0.095 1.540 22.25
× ブルー 0.190 0.050 1.450 16.30
マスカルポーネ 0.005 0.215 1.410 13.65
モッツァレア 0.010 0.210 0.995 13.45
やぎ 0.060 0.135 1.085 14.00
リコッタ 0.020 0.335 0.575 7.95
× プロセスチーズ 0.140 0.065 1.300 15.65

※問題があると思われる数値の欄には色をつけています。

総合すると、上から3つめの「カテージチーズ(カッテージチーズ)」が、猫に最もやさしいチーズであるといえます。

 

猫に与えてもよいチーズの基準「塩分」

環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」2018年8月(第三版)では、猫(体重5kg)の1日の塩分摂取量の目安を「0.33g」としています。

しかし、ドライのキャットフードの塩分量を調べてみると、0.33gを超えてしまうフードが多いことがわかりました。

そこで、猫に与えるチーズは、5gあたりの食塩量が0.1g未満のチーズを選びましょう。腎臓への負担を減らすために、猫が食べてもよいチーズを選ぶにあたって、塩分量を最も重要視する必要があります。

 

猫に与えてもよいチーズの基準「炭水化物」

牛乳100g中には、4.8gの炭水化物が含まれています。その99.8%が「乳糖」です。そこで、チーズ5gあたりの炭水化物量ができるだけ少ないチーズを選びましょう。

「母猫の母乳には乳糖が含まれていないの?」と思ってしまいますが、母猫の母乳にも乳糖は存在します。ただし、乳糖の量は牛乳よりも少ないのが特徴です。

一方、赤ちゃん猫は、乳糖を分解するラクターゼという酵素を持っていますので、ひどい下痢をして体調をくずすことはありません。

しかし、成猫になるにしたがって、ラクターゼが少なくなり、乳糖を分解する能力が低くなっていきます。なので、成猫が人間用の牛乳を飲むと下痢を起こしてしまいます。

 

猫に与えてもよいチーズの基準「脂質」

脂質は、エネルギー源として働く栄養素です。しかし、摂取した脂質の量が消費エネルギーを上回ると、体脂肪として体に蓄えられます。

キャットフードで必要な脂質は摂取していますので、脂質量が少ないチーズを選びましょう。

 

猫にチーズを与える頻度と量

猫がチーズを好むことは多くの飼い主に知られていますが、与える頻度と量には注意が必要です。チーズは「猫」にとって消化が難しいことがあるため、少量を週に1~2回程度に留めるのが理想的です。特に「低脂肪チーズ」を選び、1回の量は猫の体重に応じて調整しましょう。

例えば、体重5kgの猫が食べてよい量は、次のようになります。猫の1日のカロリー摂取量を求める式は複数あります。ここでは、次の式を採用します。

・体重(kg)×30+70=1日のカロリー

体重5kgの猫なら、「5×30+70=220(kcal)」になります。

猫におやつを与える場合、1日のカロリー量の10%を上限とするのが原則です。(カロリーの10%分のおやつを与えたら、主食であるキャットフードを10%分減らす必要があります。)

体重5kgの猫の場合、1日のカロリー量は220kcalなので、その10%である22kcalが上限になり、1日に与えてよいチーズの量は5g程度になります。

 

初めて猫にチーズを与える際の注意点

猫に初めてチーズを与える際には、次のようなことをあらかじめ知っておきましょう。

1.消化不良の症状と対策
2.アレルギー反応の兆候
3.適切な健康管理の方法
4.加工チーズはNG

 

消化不良の症状と対策

猫がチーズを食べた際の「消化不良の症状」としては、嘔吐や下痢、食欲不振が挙げられます。これらは猫の体がチーズに含まれる乳糖をうまく消化できないことが原因で起こります。

対策としては、まずチーズの摂取を控え、様子を見ることが重要です。症状が続く場合は、動物病院での診察を受けることをお勧めします。また、猫にチーズを与える際は、乳糖が少ないチーズを選ぶことや、少量に留めることが推奨されます。

 

アレルギー反応の兆候

猫がチーズを食べた際にアレルギー反応が出る場合があります。主な兆候としては「皮膚のかゆみ」や「赤み」、さらには「嘔吐」や「下痢」などが挙げられます。

これらは「食物アレルギー」の一般的な症状であり、特に猫が乳製品に対して敏感な場合に現れることが多いです。猫がチーズを食べた後にこれらの症状が見られた場合、すぐに獣医に相談することが重要です。

アレルギー反応は放置すると重篤化する恐れがあるため、早期の対応が求められます。また、猫にチーズを与える際には、少量から始めて様子を見ることが推奨されます。

 

適切な健康管理の方法

適切な健康管理のためには、猫が「チーズ好き」であることを考慮しながら、バランスの取れた食事を提供することが重要です。まず、猫に与えるチーズの種類や量を慎重に選び、低脂肪で乳糖が少ないものを選ぶと良いでしょう。

さらに、チーズを与える際には他の食材とのバランスを考慮し、猫の栄養状態を常にチェックすることが大切です。定期的に獣医師の診察を受け、猫の健康状態を確認し、必要に応じて食事内容を見直すことも忘れずに行いましょう。

 

加工チーズはNG

加工チーズである「プロセスチーズ」は、「ナチュラルチーズ」に乳化剤などを混ぜて加熱して作られます。加熱により乳酸菌は死滅しますが、高タンパクでカルシウムが豊富なチーズです。しかし、猫にはおすすめできません。

市販のプロセスチーズ例

 

猫のチーズ好きに対する飼い主の対応

猫が「チーズ好き」なのは、その香りや味が猫の嗅覚や味覚に訴えるためです。しかし、チーズを猫に与える際は注意が必要です。

猫は乳糖を消化しにくいため、チーズを食べると消化不良を起こすことがあります。飼い主としては、チーズの量を控えめにし、低乳糖のものを選ぶと良いでしょう。

また、猫の食事バランスを考え、チーズ以外の「代替おやつ」を検討することも重要です。猫の健康を守るために、チーズを与える前に獣医師に相談することをお勧めします。

 

チーズ以外の代替おやつ

猫が「チーズ好き」でも、健康を考えた「代替おやつ」を選ぶことは大切です。鶏肉やターキーのフリーズドライは、たんぱく質が豊富で猫の食欲をそそります。

また、無塩の煮干しやかつお節もおすすめです。これらは「低カロリー」でありながら、猫に必要な栄養素を提供します。

さらに、猫用の「魚ベース」のおやつも選択肢に入れると良いでしょう。これらの代替おやつを活用し、猫の健康を守りつつ、喜ぶ姿を見られるよう工夫してみてください。

 

猫の食事バランスの考え方

猫の「食事バランス」を考える際、チーズ好きな猫には特に注意が必要です。猫は肉食動物であり、タンパク質を中心とした食事が基本です。

しかし、チーズは脂肪分が多いため、与えすぎると肥満や消化不良の原因となることがあります。適切なバランスを保つためには、チーズはおやつ程度にとどめ、主食には高品質なキャットフードを選ぶことが重要です。

猫がチーズを好む場合でも、栄養面での偏りを防ぐため、他の食材やサプリメントで「必要な栄養素」を補うことを心掛けましょう。

 

専門家に相談するタイミング

猫がチーズを食べた後に「消化不良」やアレルギー反応を示す場合は、すぐに獣医に相談することが推奨されます。

また、猫がチーズを過剰に欲しがる場合は、食事バランスが崩れている可能性があるため、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

さらに、猫の健康状態に不安がある場合や、特定の「チーズの種類」が猫に適しているかどうか不明な場合も、専門家に相談することで適切な判断を下すことができます。

 

まとめ「猫に与えてよいチーズ」

○カテージ(カッテージ)チーズ
△マスカルポーネチーズ
△モッツァレアチーズ
△やぎチーズ
△リコッタチーズ
△エメンタールチーズ
△クリームチーズ

「カテージ(カッテージ)チーズ」が、猫に最も適したチーズです。続いて、塩分量が0.1g未満のチーズを△印にしています。

いずれもナチュラルチーズと呼ばれているチーズです。生きた乳酸菌が腸に届くので、猫の健康の向上が期待できます。

カテージは、牛乳と少量のレモン汁(または酢)があれば手作りできるチーズです。
>>カッテージチーズ 作り方

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