犬や猫にマイクロチップの装着を義務づける法律(改正動物愛護管理法)が、2022(令和4)年6月1日に施行されます。
対象となるのは、犬や猫を販売している繁殖業者(ブリーダー)やペットショップなどです。
ブリーダーやペットショップなどは、犬や猫にマイクロチップを装着し、名前、性別、品種、毛色、業者名を国のデータベースに登録することが義務づけられます。
なお、犬の場合、登録すれば自動的に居住する市町村区の狂犬病予防法上の担当部署に登録情報が通知されます。狂犬病予防法における犬の登録手数料が別途必要です。
ブリーダーやペットショップから犬や猫を迎える予定の方は
1.マイクロチップが装着されているか、ブリーダーやペットショップに確認する。
2.マイクロチップの登録をしてもらえるのか尋ねる。
データ登録料は1,050円です。
2022年4月1日以降は、紙申請1,000円、オンライン申請300円になります。
登録料とは別に、事務手数料を請求されるかもしれません。
法律上、犬や猫の販売業者は、生後90日から30日以内にマイクロチップの装着が義務づけられています。
ブリーダーは、「生後90日から30日以内」までにペットショップなどに譲り渡しする場合、それまでに装着しなければなりません。
ちなみに、生後56日(8週間)以下の子犬や子猫の販売は、法律で禁止されています。
生後90日-生後56日=34日というタイムラグがありますが、ブリーダーやペットショップで犬や猫を迎えるときは、すでにマイクロチップが装着されている状態であると言えます。
このことから、「マイクロチップの装着はまだ」と言われたら、その業者の信用を疑った方がよいと思われます。
知人から譲り受ける場合は?
猫の場合、知人や動物保護団体などから譲り受けるケースが多いと思います。
この場合、有料、無料に関わらず、マイクロチップの装着は努力義務になります。
ただし、マイクロチップが装着された犬や猫を譲り受けた場合は、新たな飼い主の情報を登録する必要があります(義務)。
すでに犬や猫を飼っている人は?
すでに犬または猫を飼っている人は、マイクロチップの装着は努力義務になります。
犬や猫が行方不明になった場合や、災害や盗難、事故で飼い主と離ればなれになったときに、マイクロチップによって飼い主に戻る可能性が高くなります。
この機会にマイクロチップの装着を検討しましょう。
今後、ペット可のホテルや旅館では、登録証明書の提示を求められるかもしれません。
どこで装着するの?費用は?
動物病院などの獣医師が、専用の注入器で皮下にマイクロチップを埋め込みます。
装着料は、3,000円~10,000円と言われています。
2022年6月1日までは、登録料は無料です。
痛がらない?麻酔はするの?
マイクロチップは円筒形で、直径2mm、長さ12mmの電子標識器具です。
少しでも痛みを和らげるために、直径1.2mm、長さ8mmのマイクロチップが主流になりつつあります。
通常は麻酔をせずに、注射器のような器具で皮下に埋め込みます。一瞬で終わります。
もし、不妊手術がまだでしたら、その時に一緒にされることをおすすめします。
マイクロチップに名前などが記録されるの?
マイクロチップには、15桁の数字が記録されています。
15桁が世界で唯一の番号で、この番号のチップが埋め込まれた動物や所有者の情報が、指定登録機関に登録されます。
指定登録機関には、公益社団法人日本獣医師会が指定されています。
登録情報を閲覧できるのは、自治体か警察に限られています。