通勤・通学途中や帰宅途中に、野良猫がついてくることがあります。
「なぜ私についてくるの?」と思われたのではないでしょうか。
この記事では、野良猫があなたを選んだ理由を5つのパターンに分けて解説しています。
たまたま帰る方向が同じである
猫は「夜行性」の動物と思いがちですが、猫は「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物です。
薄明薄暮性とは、明け方と夕方に、獲物探しや繁殖などの行動をする性質のことを言います。
明け方や夕方は、車の行き来が激しい時間帯です。猫が交通事故にあいやすいのは、猫の薄明薄暮性という性質と重なります。
さて、野良猫は、縄張りの中心から半径1km~2km移動します。また、野良猫が寝たりくつろいだりする範囲は、半径500mと言われています。この半径500mをプライベートエリアと呼びます。
野良猫があなたの帰宅途中に距離をとってついてくるのは、野良猫のプライベートエリアとあなたの自宅が同じ方向である可能性があります。
つまり、この場合、ついてくるようにみえて、ついてきているわけではありません。
ニャーと鳴いてついてくる場合
野良猫は、他の野良猫にニャーとは鳴きません。ニャーと鳴いてあなたについてくる場合、空腹、寒さ、孤独などをあなたに伝えています。
以前に人間から食べ物をもらい、空腹をしのいだ経験のある野良猫かもしれません。
あたなが、食料の買物から帰る途中なら、その可能性が高いと思われます。
家の玄関までついてきた場合
家の玄関までついてきた場合、食べ物や寒さをしのいだりする安全な場所が欲しいとあなたに伝えています。
ただ、妊娠していて、子供を安心して産める場所の提供をあなたに望んでいるのかもしれません。翌日も玄関にいる場合、この可能性が高いです。
人慣れしている
猫は警戒心の強い生き物ですが、人は優しくて食べ物をくれると学習した場合、人についてくることがあります。
あなたの家の周辺までついて来た場合は、あなたの家の周辺で、野良猫に食べ物を与えている人がいると思われます。
ケガや病気で助けを求めている
ネットで調べると、猫がついてくる理由のひとつとして、「ケガや病気をしていて助けを求めている」と説明されてることがあります。
弱々しい鳴き声、かすれるような鳴き声をあげてあなたについてくるなら、ケガや病気をしていて助けを求めている可能性はあります。
また、生後まもない子猫がいる場合、子猫にお乳をあげなければならないので、人に食べ物を求めることもあります。
しかし、ケガや病気の状態なら、敵に襲われないような安全な隠れ場所で、じっと回復を待っているのが本来の野良猫のとる行動です。
飼い猫でも、体調が悪いときは、部屋の狭い場所でじっとしています。このときのどをゴロゴロ鳴らしていることがあります。
よって、「ケガや病気をしていて助けを求めている」可能性は低いと思われます。やはり、食べ物を欲しがっていると考えられます。
※猫は、飼い主に甘えているとき、機嫌が良いときだけでなく、体調が悪いときもゴロゴロ鳴らすことがあります。ゴロゴロ音を骨に伝えて、新陳代謝を活発にし、治癒力を高めているのではないかと考えられています。
さてどうする?
猫がついてくるのは数回で、あきらめていつの間にかいなくなることの方が多いです。
ニャーと鳴きながらついてこられると、なでてみたり、エサをあげたい気持ちになるのはよくわかります。
しかし、野良猫は、100%なんらかの病気をもっていると言われています。不用意になでて噛まれたりすると、あるいは糞便から人間に感染する病気があります。
また、野良猫のメスは、栄養状態が良いと年に2回出産します。エサをあげる行為は、野良猫を増やすことになります。
家族として迎えたとしても、病気をかかえているので、飼い猫が15年以上生きるのに対して、野良猫はその半分も生きることができないと言われています。
それでも飼うと決めたら、十分に慣れさせた上で、動物病院で診察を受けましょう。
去勢・不妊などの手術代は別として、猫にかかる年間の費用は約16万円です。