このページでは、猫に「危険」な観葉植物と猫に「安全」な観葉植物について書いています。いずれも日本で人気の観葉植物をそれぞれ12種選びました。
ただし、安全だからといって、猫が葉っぱなどを過剰に食べてしまうと、下痢や嘔吐の原因になりますので気をつけてください。
猫に「危険」な観葉植物-人気のあるもの12選-
人気のある観葉植物で猫に危険なものを12種選びました。
No. | 植物名 | 別名 | |
1 | ウンベラータ | フィカス・ウンベラータ | |
2 | アグラオネマ | リョクチク | |
3 | ガジュマル | チャイニーズバンヤン | 多幸の木 |
4 | ベンジャミンバロック | シダレガジュマル | フィカスバロック |
5 | コーヒーノキ | コーヒーの木 | |
6 | インドゴムノキ | ゴムの木 | ゴムノキ |
7 | サンスベリア | トラノオ | 虎の尾 |
8 | ストレリチア | ゴクラクチョウカ | 極楽鳥花 |
9 | トラディスカンティア | トラデスカンチア | ムラサキツユクサ |
10 | ポトス | オウゴンカズラ | 黄金葛 |
11 | モンステラ | ホウライショウ | 蓬莱蕉 |
12 | ソテツ | 蘇鉄 |
ウンベラータ
科名/属名:クワ科/フィカス属(イチジク属)
学名:フィカス・ウンベラータ(Ficus umbellata)
ウンベラータは、ハート型の大きな葉をつけるので、最近、人気のある観葉植物です。ウンベラータという名前は、ラテン語の「日傘(umbella)」に由来しています。
葉や枝を切ると、イチジク属特有の白い樹液が出てきます。猫がこの樹液に触れると、皮膚がかぶれる可能性があります。葉っぱをたべてしまうと、下痢や嘔吐の原因になります。
アグラオネマ
科名/属名:サトイモ科/リョクチク属(アグラオネマ属)
学名:アグラオネマ(Aglaonema)
アグラオネマには、不溶性(水に溶けない)のシュウ酸カルシウム結晶が含まれており、結晶は針状になっているので、猫が葉などをかじると、口の中の痛みや不快感を感じます。
口の中の不快感から、すぐに吐き出すと思われますが、舌や唇が腫れる可能性があります。飲み込んでしまうと、嘔吐、食欲不振、胃腸の炎症を引き起こします。
カジュマル
科名/属名:クワ科/フィカス属(イチジク属)
学名:フィカス・ミクロカルパ(Ficus microcarpa)
「カジュマルは猫に安全だ」とするサイトがありますが、カジュマルはクワ科イチジク属(フィカス属)の植物で、上記の「ウンベラータ」と同じく葉や茎を切ると白い樹液が出てきます。
この樹液に猫が触れると皮膚が炎症を、摂取すると、嘔吐、下痢、口の中の炎症などを起こす可能性があります。
ベンジャミンバロック
科名/属名:クワ科/フィカス属(イチジク属)
学名:フィカス・ベンジャミン・バロック(Ficus benjamina barok)
フィカス・ベンジャミン・バロックは、葉がくるっとカールしているのが特徴で、人気のある観葉植物です。
猫への危険性の内容は、「ウンベラータ」や「カジュマル」と同じです。
コーヒーノキ
科名/属名:アカネ科/コーヒーノキ属
学名:コーヒー・アラビア(Coffea arabica)
コーヒーノキの樹皮や葉には、「サポニン」という毒性の物質が含まれています。
猫がコーヒーノキの樹液に触れると皮膚炎を起こし、葉などを食べると、吐き気、嘔吐、食欲不振、心拍数の増加といった症状が現れる可能性があります。
インドゴムノキ
科名/属名:クワ科/フィカス属(イチジク属)
学名:フィカス・エラスティカ(Ficus elastica)
単に「ゴムノキ(ゴムの木)」と呼ばれる観葉植物には数種類ありますが、日本で最も人気があるのが「インドゴムノキ」です。
ただ、フィカス属(イチジク属)の仲間なので、上記の「ウンベラータ」、「カジュマル」、「ベンジャミンバロック」と同じ危険性があります。
その他、ゴムの木と呼ばれている植物には、次のようなものがあります。全て、猫にとっては危険性がある植物です。
・カシワバゴムノキ(フィカス・リラータ)
・ベンジャミンゴムノキ(フィカス・ベンジャミナ)
・デコラゴムノキ(フィカス・デコラ)
サンスベリア
科名/属名:キジカクシ科(クサスギカズラ科)/チトセラン属(サンスベリア属)
学名:サンスベリア・トリファスキアタ(Sansevieria trifasciata)
上の写真のように、葉の縁取りが黄色の斑(ふ)になっている「ローレンティー」が最もポピュラーなサンスベリアです。虎のしっぽに似ていることから「虎の尾」という和名がついています。※ローレンティー=ローレンティ=ローレンチー
さて、サンスベリアには、「サポニン」という毒性の物質が含まれています。猫が葉をかじったりすると、上記の「コーヒーノキ」と同じ症状が現れる可能性があります。
ストレリチア
科名/属名:ゴクラクチョウカ科/ゴクラクチョウカ属(ストレリチア属)
学名:ストレリチア(Strelitzia)
ストレリチア属で最も知られているのが、「ストレリチア・レギナエ(レギネ)」です。和名は「極楽鳥花」。鳥のトサカとクチバシに似たような花をつけます。
ストレリチアに毒にあたるものは含まれていませんが、胃や腸を刺激する物質が含まれています。
猫がストレリチアの茎や葉を食べると、口の中、胃、腸に炎症を起こし、腹痛、軽度の吐き気、嘔吐、眠気といった症状が現れます。
トラディスカンティア
科名/属名:ツユクサ科/ムラサキツユクサ属(トラディスカンティア属)
学名:トラディスカンティア(トラデスカンチア、Tradescantia)
葉に薄い紫色の斑が縦に入っている「トラディスカンティア・フルミネンシス・ラベンダー」が人気の種です。
どのような毒かは不明ですが、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)は、猫に毒性があり、皮膚炎を起こすとしています。
ポトス
科名/属名:サトイモ科/ハブカズラ属(エピプレムヌム属)
学名:エピプレムヌム・アウレウム(Epipremnum aureum)
ポトスは、ハート形をした艶のある葉がかわいくて、初心者でも育てやすいので人気のある観葉植物です。
しかし、上記の「アグラオネマ」同様、不溶性のシュウ酸カルシウム結晶が含まれているので、猫が食べると口の中の痛み、嘔吐、食欲不振、胃腸の炎症を引き起こします。
モンステラ
科名/属名:サトイモ科/ホウライショウ属(モンステラ属)
学名:モンステラ・デリシオサ(Monstera deliciosa)
モンステラは、葉が成長すると、切れ込みや穴があく個性的な植物です。
ポトスに続いてモンステラもサトイモ科。ポトス同様の中毒性があります。
サトイモ科の植物をまとめておきます。
ソテツ
科名/属名:ソテツ科/ソテツ属
学名:サイカス・レヴォルタ(Cycas revoluta)
大きいものは、3~5mに成長しますが、鉢植えの観葉植物としても人気があります。
しかし、ソテツには、「サイカシン」や神経毒の「βメチルアミノ-L-アラニン(BMAA)」などの有毒な物質が含まれています。有毒な物質は、ソテツの全て、特に、種子に多く含まれています。
猫がソテツを食べると、嘔吐(吐血)、黒っぽい便、下痢(血便)、黄疸(おうだん)といった症状が現れます。重度になると、肝不全を起こし、死亡することもあります。
種子を1、2個食べただけで、致命的になることがあり、ASPCA動物毒物管理センター(APCC)によると、ソテツを摂取した動物の50~75%が死亡しているとのことです(「Animal Poison Control Alert: Beware of Sago Palms」June 25, 2015)。
猫に「安全」な観葉植物-人気のあるもの12選-
No. | 植物名 | 別名 | |
1 | エアプランツ | チランジア | |
2 | エケベリア | ||
3 | エバーフレッシュ | アカサヤネムノキ | |
4 | オリーブノキ | オリーブの木 | |
5 | オリヅルラン | クロロフィタム | チョウラン |
6 | カラテア | ゴシキヤバネショウ | |
7 | シュガーバイン | パーセノシッサス | |
8 | テーブルヤシ | チャメドレア・エレガンス | |
9 | パキラ | マネーツリー | |
10 | ミリオンバンブー | ||
11 | ビカクシダ | プラチセリウム | コウモリラン |
12 | ペペロミア | シマアオイソウ |
エアプランツ/エケベリア/エバーフレッシュ/オリーブノキ
■エアプランツ
科名/属名:パイナップル科(ブロメリア科)/チランジア属
学名:チランジア(Tillandsia)
エアプランツは、土いらずで育てられる観葉植物です。葉の表面にある産毛から水分を吸収します。「コットンキャンディー」という品種は、美しい花を咲かせるのでとても人気があります。
■エケベリア
科名/属名:ベンケイソウ科/エケベリア属
学名:エケベリア(Echeveria)
エケベリアは、ロゼッタ状に葉が重なる多肉植物です。晩秋から春にかけて紅葉し、初春から夏にかけては花を咲かせます。
■エバーフレッシュ
科名/属名:マメ科/コヨバ属
学名:コヨバ・アルボレアの変種 アンガスティフォリア(Cojoba arborea var. angustifolia)※旧学名:Pithecellobium confertum
エバーフレッシュの葉は、マメ科の植物に特徴的な昼間に開き、夜に閉じる睡眠運動(就眠運動、昼夜運動)をおこないます。
■オリーブノキ
科名/属名:モクセイ科/オリーブ属
学名:オレア・エウロパエア(Olea europaea)
オリーブオイルの原料となる実をつけるオリーブノキ。鉢植えの観葉植物としても人気があります。オリーブノキは、邪気を祓うと言われていますので、家の玄関やベランダに置くといいそうです。
オリヅルラン/カラテア/シュガーバイン/テーブルヤシ
■オリヅルラン
科名/属名:キジカクシ科(クサスギカズラ科)/オリヅルラン属(クロロフィツム属)
学名:クロロフィツム(Chlorophytum)
白い斑が、両外に入る「ソトフオリヅルラン」、中に入る「ナカフヒロハオリヅルラン」が人気のある代表的なオリヅルランです。春から秋にかけて白い花を咲かせます。
■カラテア
科名/属名:クズウコン科/カラテア属
学名:カラテア(Calathea)
カラテアは、昼間は葉を広げ、夜には葉先を上に向ける睡眠運動をします。この睡眠運動をするかしないかが、カラテアの健康状態のバロメーターになっています。
■シュガーバイン
科名/属名:ブドウ科/パルテノシッサス属
学名:パルテノシッサス(Parthenocissus)
シュガーバインは、葉の裏に白い樹液をつけます。樹液は甘い香りがすることから、名前に「シュガー(sugar)」がつけられています。シュガーバインは猫に無害な植物に分類されていますので、樹液も無害だと思われますが、一般的に、無害な樹液でも舐めたりすると皮膚が荒れるかもしれません。※バイン(vine):ツタ
■テーブルヤシ
科名/属名:ヤシ科/カマエドレア属
学名:チャメドレア(Chamaedorea)
テーブルヤシは熱帯地域の植物ですが、自生地が標高1000m以上の森林なので、比較的耐寒性があります。テーブルに置けるほどのヤシというのが名前の由来ですが、条件が良ければ3mほどの高さまで成長します。剪定すればミニのまま育てられます。
パキラ/ミリオンバンブー/ビカクシダ/ペペロミア
■パキラ
科名/属名:パンヤ科/パキラ属
学名:パキラ・グラブラ(Pachira glabra)
パキラの別名は「マネーツリー(money tree)」、日本語では「発財樹」と呼ばれています。パキラを置くと、金運がアップするかもしれません。縁起の良い植物は、玄関に置くのがオススメです。
■ミリオンバンブー
科名/属名:リュウゼツラン科/ドラセナ属
学名:ドラセナ・サンディリアーナ(Dracaena sanderiana)
ミリオンバンブー(万年竹)は、茎に竹のような節がありますが、竹の仲間ではありません。葉は笹に似ています。別名「開運竹」とも呼ばれ、縁起の良い植物です。
■ビカクシダ
科名/属名:ウラボシ科/ビカクシダ属
学名:プラティケリウム(Platycerium)
ビカクシダは、樹木や岩に着生するシダの仲間です。壁に掛ける、つるす、流木に着生させるなど、インテリアの一つとして楽しむ方が増えています。
■ペペロミア
科名/属名:コショウ科/サダソウ属(ペペロミア属)
学名:ペペロミア(Peperomia)
ペペロミアは、葉の形や色のバリエーションが豊富な観葉植物です。中でもかわいい丸みのある葉のペペロミアが人気です。ちょっとしたスペースに置くことができ、丸い葉を見ていると癒やされます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。猫に「安全」な観葉植物と「危険」な観葉植物を12種ご紹介しました。いずれも日本で人気のある観葉植物です。
猫を飼っている方は、観葉植物を購入する前に愛猫に害がないか確認してください。
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