猫がりんごを食べる際の注意点!安全な部位とは?

猫がりんごを食べることについて、意外に思う方も多いかもしれません。りんごは私たち人間にとって健康的な果物ですが、猫にとってはどうなのでしょうか?

この記事では、猫がりんごを食べる場合の栄養面と潜在的なリスクについて詳しく解説します。りんごに含まれるビタミンや食物繊維が猫にどのような影響を与えるのか、また注意すべきポイントは何かを知ることで、愛猫の健康を守るための参考にしていただければ幸いです。

 

猫にりんごを与えても大丈夫?その理由とは

猫が「りんご」を食べても問題ないかという疑問は、多くの飼い主が抱える心配の一つです。結論ら言えば、猫にりんごを少量与えることは基本的には安全です。

しかし、猫がりんごを食べることについて、日本と欧米では説明に違いがあります。

「猫にりんごを与えてもいいの?」の問いに対して、日本では栄養面にフォーカスして「与えてもよい」としています。

一方、欧米では、「与えてもよい」が、猫は肉食動物であることにフォーカスして、「あえて与える必要がない」としています。

 

日本の一般的な説明

「1日1個で医者いらず」と言われているように、りんごは栄養価の高い果物です。りんごには、ビタミンC、ポリフェノール、カリウムなどが多く含まれています。

リンゴに含まれる食物繊維の一種である「ペクチン」は、便秘のときには便をやわらかくして排便を促し、下痢のときには腸壁にゼリー状の膜をつくり、腸が傷つくのを防ぎます。

ただし、皮なしのりんご(生)には、糖質が約14%含まれていますので、与え過ぎると肥満や糖尿病のリスクが高まります。また、りんごの種には有毒な成分が含まれていますので、必ず取り除くようにしてください。

 

欧米の考え方

人間にとってりんごは、栄養満点の果物ですが、猫は、総合栄養食のキャットフードから必要な全ての栄養素を摂取しているので、りんごから栄養を補給する必要はありません。

猫は肉食動物であり、本来りんごには興味がありません。興味がないのに、あえてりんごを与える必要はないというのが欧米の考え方です。

また、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)は、猫や犬には毒性のある果物として注意喚起しています。

 

猫にりんごを与える際の注意点

猫にりんごを与える際には、いくつかの重要な点に注意が必要です。注意点を守れば、猫がりんごをたべても問題はありません。この項では、次の3点について説明しています。

1.りんごに含まれる危険な成分について
2.りんごの与え方
3.1日に与えてよい量

 

りんごに含まれる危険な成分について

リンゴの果肉(花たく)部分に毒はありませんが、果心、葉、種子には、「青酸配糖体」の「アミグダリン」と呼ばれる物質が含まれています。

アミグダリンが体内の腸内細菌によって分解されると、有毒な「シアン化水素」に変わります。シアン化水素は毒性が強く、瞳孔散大どうこうさんだい、呼吸困難、おう吐などの中毒症状を起こすことがあります。

人間の場合、リンゴの種や茎を大量に摂取しない限り問題はありませんが、猫などの小動物にとっては、少量でも中毒を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

 

りんごの与え方

りんごの果柄かへい、果心、種子の部分は取り除きます。また、りんごの皮は消化に悪影響を及ぼす可能性があるため、必ず取り除いてください。

カットする際は、猫が噛みやすいように小さな「一口サイズ」に切りましょう。

 

1日に与えてよい量

『ねこのきもち』には、体重4kgの猫の場合、「(与えるなら)刻んでひと口程度」と書かれています。

おやつ類は、「1日のカロリー量の10%ルール」から計算すると、下の表のようになります。りんごは、皮つきの生で100gあたり56カロリーなので、体重4kgの猫なら33.9gが適量です。ただし、1日のカロリー量の10%与えたら、いつものキャットフードからその分引くのが原則です。

1日の摂取カロリーからみたリンゴの適量
体重(kg) 1日の摂取カロリー 適量(g)
3 160 28.6
3.5 175 31.3
4 190 33.9
4.5 205 36.6
5 220 39.3
5.5 235 42.0
6 250 44.6

 

猫がりんごを食べるメリットとデメリット

栄養満点なりんごですが、猫がりんごを食べるメリットはあるのでしょうか。この項では、猫がりんごを食べるメリットとデメリットについて解説しています。

 

りんごを食べるメリット

りんごは「ビタミンC」や「食物繊維」を豊富に含んでおり、これらは猫の消化を助ける可能性があります。りんごに含まれるペクチンは、猫の便秘や下痢を予防・改善する効果が期待できます。

先に、りんごの皮は消化に悪いので取り除くようにと書きましたが、すり下ろすと問題はありません。というのも、ペクチンは、りんごの皮と実の間に多く含まれてるからです。便に問題がありそうな場合は、皮ごとすり下ろして、いつものキャットフードにトッピングして猫に与えることをおすすめします。

 

りんごを食べるデメリット

(りんごの果肉だけを食べるとして)りんごには「糖分」が含まれており、過剰に摂取すると肥満や「糖尿病」のリスクを高める恐れがあります。

また、猫によってはりんごを消化しづらい場合もあるため、初めて与える際は少量から始め、猫の反応をよく観察することが重要です。

 

猫がりんごを好む理由と嫌がる理由

猫がリンゴを好む理由と嫌がる理由については、個体差や食の嗜好によるところが大きいですが、いくつかの生理的および行動的な要因が関係しています。

 

猫がりんごを好む理由

猫は肉食動物であり、甘さを感じる味覚受容体がほとんど機能していません。しかし、特定の猫が果物に興味を示すことがあります。これは、甘さ以外の要因(食感や匂い)が関係している可能性があります。

また、りんごには水分が多く含まれており、猫にとって水分摂取が容易です。猫はしばしば水を飲む量が少ないため、りんごのような果物が水分補給の代替手段になることがあります。

さらに、りんごのシャキシャキした食感が猫にとって興味深い場合があります。猫は好奇心が強く、時には食べ物を「玩具」として扱い、かじる行為そのものが楽しみになることがあります。

 

猫がりんごを嫌がる理由

猫は肉食動物であり、植物性の食品を消化するのが得意ではありません。りんごは糖分や繊維を多く含んでいるため、消化が難しい場合があります。特に過剰な摂取は、消化不良や下痢、嘔吐などを引き起こす可能性があります。

また、猫は嗅覚が非常に敏感で、りんごの香りや酸味を嫌う猫もいます。特に、りんごに含まれるクエン酸や酸化による匂いが猫にとって不快であることがあります。

りんごには果糖が含まれており、猫には糖分を消化する酵素が不足しています。そのため、猫にとって甘い食べ物は自然と避けたいものとなることがあります。過剰な糖分摂取は、猫にとって健康リスク(糖尿病や肥満)が伴うため、本能的に避ける行動が見られる場合があります。

特定の猫は、りんごに対してアレルギーや食物不耐性を持っている可能性があります。この場合、食べた後に体調が悪くなることがあり、これが猫がりんごを避ける理由になることがあります。

 

リンゴジュースを与えてもいいの?

100%のストレートジュースや100%濃縮還元ジュースなら問題はありませんが、与えるなら舐めさせる程度にしましょう。

通常、ストレートジュースには、酸化防止としてビタミンCが、濃縮還元ジュースには、香料が添加されています。また、透明のリンゴジュースの場合、ペクチンが取り除かれています。

その他のリンゴジュースを飲ませるのはNGです。市販されているリンゴジュースの多くには、果糖や砂糖が多く含まれています。猫は糖分を効率的に消化することができないため、これが健康リスクを引き起こす可能性があります。過剰な糖分摂取は、肥満や糖尿病の原因となりえます。

また、市販のジュースにはしばしば添加物や保存料が含まれていることが多いです。これらの成分は猫にとって有害で、胃腸の不調や長期的な健康リスクをもたらすことがあります。

さらに、りんごには自然な酸が含まれており、それがジュースの形で濃縮されることがあります。猫の消化器官は、酸に対して敏感であるため、胃腸を刺激し、嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。

 

焼きりんごを与えてもいいの?

猫に「焼きりんご」を与えても問題はありませんが、糖質の量が生より増えるので、与え過ぎに注意が必要です。与えるならひと口程度。

実は、りんごを加熱することで、ペクチンの量が増えることがわかっています。ペクチンは、腸内の有害な菌の増殖を抑え、善玉菌の繁殖を助けます。これにより、腸内環境が整い、便秘や下痢の改善に役立つことがあります。

また、ペクチンは腸での糖の吸収をゆっくりにするため、食後の急激な血糖値の上昇を防ぎます。これは糖尿病のリスクを低減する効果があります。

その他、ペクチンには、コレステロール値の低下、整腸作用、解毒作用といった働きをします。

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