玉ねぎ、ねぎ類、ニラ、ニンニクには、アリルプロピルジスルフィドという成分が共通して含まれています。
この成分が引き金となって、猫の血液中の赤血球を破壊します。
※本当は、アリルプロピルジスルフィドではなく、有機チオ硫酸化合物であると説明されている場合があります。
赤血球が破壊されると、赤血球から放出されるヘモグロビンが、腎臓に障害を与えます。
急性腎障害となり、命を落とす場合もあります。
猫が玉ねぎやねぎ類を食べた時、次のような症状が現れます。
・貧血
・血尿
・下痢
・嘔吐
・食欲不振
・けいれん
猫がどれくらい食べると中毒を起こすの?
猫が玉ねぎを「大量に食べると玉ねぎ中毒を起こす」と書かれていることが多いです。
大量とはどのくらいでしょう?
体重1kgに対して20gの玉ねぎを食べると中毒を起こすと言われています。
体重が4kgの猫なら80g以上食べると中毒を起こす可能性があります。
80gというと、小さい玉ねぎの約半分です。
80gというと、猫にとってはけっこうな量になりますが、「少量」、「ほんの少し」でも中毒を起こす恐れがありますので注意してください。
注意すべきは
元々、猫は玉ねぎのニオイを嫌いますので、自ら食べることはまずありません。
注意すべきは、肉じゃがなど、玉ねぎを具材として使った料理です。
赤血球を破壊する成分は、加熱しても消えないので、他の具材に染み込んだり、スープに溶け込んでいます。
肉じゃが、カレー、すき焼きなどから肉だけ取り出して猫に与えたり、スープをキャットフードにかけて与えても、玉ねぎ中毒を起こす可能性があります。
他のねぎ類、ニラ、ニンニクも同様です。
人間はなぜだいじょうぶなの?
玉ねぎ中毒は、猫や犬などの動物が起こす食中毒です。
人間は、アリルプロピルジスルフィドを分解する酵素を持っていますので、玉ねぎ中毒になることはありません。
玉ねぎに含まれる「アリシン」という物質が、血液をサラサラにし、動脈硬化や生活習慣病を予防してくれます。
また、玉ねぎに含まれる「ケルセチン」には、認知機能改善効果があります。
このように、人間にとって玉ねぎは、健康を増進させるのに役立つ食材ですが、摂りすぎると健康を害する可能性があります。