【猫はスイカが嫌い?】意外な事実と与えてよい量

スカイの約90%は水分なので、猫にとって夏の水分補給にはピッタリの果物です。普段あまり水を飲まない愛猫にために、スイカを食べて欲しいと思っている飼い主さんもおられるでしょう。

しかし、頑としてスイカを食べない猫もいます。はたしてあなたの愛猫はスイカが嫌いなのでしょうか。この記事では、猫とスイカの関係について詳しく探ります。

 

猫は本当にスイカが嫌いなのか?

夏の風物詩、スイカ。私たち人間にとっては甘くて美味しい夏の恵みですが、猫は本当にスイカが嫌いなのでしょうか?

答えは、猫がスイカを嫌う、というよりは、猫がスイカに対して特に強い興味を示さないことが多いと言えるでしょう。その理由としては、いくつかの可能性が考えられます。

 

猫の味覚とスイカの関係

私たち人間は、味覚を主にした(ベロ)にある味蕾みらいと呼ばれる受容体で感じます。しかし、猫の味覚受容体には、遺伝子的に甘味を感じる機能がありません。この理由から、スイカは猫にとってはあまり魅力的な味ではないのかもしれません。

 

スイカの匂い

スイカには特有の甘い香りがありますが、猫の嗅覚は人間の数十倍も鋭敏です。そのため、猫にとってスイカの香りが強すぎたり、不快に感じられることがあります。特に果物の強い匂いは、肉食性の猫にとって違和感を覚えるかもしれません。

 

スカイの食感

スイカは水分が多く、独特の柔らかさとシャキシャキした食感があります。猫は通常、肉やカリカリとした食べ物を好むため、スイカのような質感が苦手な猫もいます。猫は食感に敏感で、普段慣れていないものには警戒心を抱くことがあります。

 

安全性への本能的な反応

猫は自然界では慎重な動物で、食べ物に対して警戒心を持つ傾向があります。普段食べ慣れていないものや、食べることに適していないものを本能的に避けることがあります。スイカは猫の自然な食事には含まれていないため、異物として認識し、嫌がる場合があります。

 

スイカを嫌がる猫の行動パターン

猫がスイカを嫌う仕草は実に様々。たとえば、そっと近づけてみた途端、大きく後ずさりしたり、場合によっては威嚇のために「シャーッ!」と唸り声をあげることも。

飼い主としては可愛い姿を見たい一心ですが、猫が嫌がるものを無理強いするのは禁物です。猫が嫌がる場合は、無理に与えずに様子を見守りましょう。

 

猫がスイカを好んで食べる理由は?

猫がスイカを好む理由もいくつか考えられます。個体差によるものが大きいのですが、以下の要因が影響している可能性があります。

 

水分補給

スイカは90%以上が水分でできているため、猫にとっては水分補給の一環として魅力的に感じることがあります。特に水をあまり飲まない猫は、スイカのように水分を多く含むものに興味を持っているのかもしれません。

 

食感の好み

一部の猫はスイカの柔らかくてみずみずしい食感を楽しむことがあります。猫によっては、通常の食べ物とは異なる感覚が興味深く、好んで食べることがあります。

 

好奇心

猫は非常に好奇心が強い動物です。飼い主さんがスイカを食べているのを見て、それに興味を示し、自分も試してみたくなることがあります。特に、飼い主さんと同じものを食べることで安心感を得ることができる猫もいます。

 

甘みを感じる個体差

猫は一般的には甘味を感じる味覚を持っていませんが、個体によっては微妙な甘味や他の風味に興味を持つことがあります。また、スイカの香りや冷たさが好まれることもあります。

 

単なる楽しみや癖

猫が特定の食べ物に興味を持つのは、単純にその味や食感が好きだからという理由もあります。特定の食べ物を好むのは、人間の嗜好と同じで、必ずしも理論的な理由があるわけではないかもしれません。

 

猫に与えてよいスイカの量

猫の専門誌『ねこのきもち』(ベネッセ)には、体重が4kgの場合「大さじ1程度」と書かれています。ただし、水分補給を目的とし、「オシッコの病気の猫NG!」と注意書きがあります。その理由は後述しています。

次に、1日の摂取カロリー量からみていくと、スイカは100gあたり41カロリーなので、体重4kgの成猫だと、約46gが適量です。

※おやつなどの量は、1日の摂取カロリー量の10%とし、残りの90%は総合栄養食(キャットフード)を与えましょう。

1日の摂取カロリーからみた猫に与えてよいスイカの量
猫の体重(kg) 1日の摂取カロリー スイカの適量(g)
3 160 39.0
3.5 175 42.7
4 190 46.3
4.5 205 50.0
5 220 53.7
5.5 235 57.3
6 250 61.0

 

猫がスイカを食べ過ぎると問題が

スイカには、カリウムが含まれており、その量は他の栄養素と比べて多いです。

<カリウムの働き>
カリウムは、細胞内のナトリウム量を調整し、余分なナトリウムと水分を細胞の外に出す働きをしています。また、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防ぎ、尿と一緒に体外に出るようにうながします。※ナトリウムには食塩が含まれています。

 

カリウムが不足すると

カリウムの摂取量が不足すると、ナトリウムの排泄ができなくなり、高血圧を引き起こしやすくなります。また、低カリウム血症が起こり、筋肉活動が低下して、疲れたようにぐったりした症状が出ます。

 

カリウムを摂りすぎると

猫がカリウムを過剰摂取すると、高カリウム血症を起こし、心臓機能がいちじるしく低下してしまいます。

余分なカリウムは尿と一緒に排泄されますが、腎臓に負担がかかるので、腎機能が低下している猫には注意が必要です。

 

スイカの与え方

種は必ず取って、果肉だけを細かく切って与えます(皮は与えない)。

種を飲み込んでも小さいのでのどに詰まりにくく、また、消化されないのでそのまま便と一緒に排泄されます。

しかし、猫が種をかむと、種に含まれるアブシジン酸いう毒素が出て、消化酵素の働きを妨げ、胃腸やすい臓に負担がかかる可能性があります。

「大量に摂取しない限りだいじょうぶ」と言われていますが、これは人間の場合で、体重が人間の10分の1、20分の1の猫にとっては負担になります。

 

子猫や老猫に与えてもだいじょうぶ?

子猫:成長期である生後6ヵ月までは、総合栄養食だけを与えます。6ヵ月を過ぎた頃からおやつなどを与えても問題はないとされています。ただ、スイカに興味のない子もいますので、「欲しがったら少しあげる」を原則としましょう。

老猫:15歳以上の猫の81%が慢性腎臓病と言われています。腎臓病の療法食を食べている老猫も多いと思います。療法食以外は与えてはいけませんが、欲しがったら少し舐めさせる、かじらせる程度ならよいでしょう。

 

まとめ

猫は、スイカを嫌う場合もあれば、好む場合もあります。これは個体差によるところが大きいです。猫がスイカを嫌う理由としては次のことが考えられます。

・猫には甘味を感じる受容体がないので、興味を示さない。
・匂いが苦手。
・食感が苦手。
・安全性への本能的な反応。

愛猫がスイカを好むなら、食べさせても問題はありません。しかし、腎臓や心臓の病気をかかえている猫には与えないようにしましょう。

与えてよい量は、「大さじ1程度」か、「体重4kgの猫なら約46g」が適量です。種は必ず取り、果肉だけを細かく切って与えます(皮は与えない)。6ヶ月未満の子には与えない。老猫は、欲しがったら少しあげる程度。

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猫の食べ物果物
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