スカイの約90%は水分なので、猫にとって夏の水分補給にはピッタリの果物です。
しかし、果肉全体の約9%が糖質なので、与える量に注意が必要です。
また、他の栄養素に比べカリウムの量がけっこう多いので、腎臓や心臓に疾患がある猫には与えてはいけません。
以下、猫にスイカを与えてよい量などを書いていますが、ここで言う猫とは成猫のことです。
猫に与えてよいスイカの量
猫の専門誌『ねこのきもち』(ベネッセ)には、体重が4kgの場合「大さじ1程度」と書かれています。ただし、水分補給を目的とし、オシッコの病気の猫NG!と注意書きがあります。
次に、1日の摂取カロリー量からみていくと、スイカは100gあたり41カロリーなので、体重4kgの成猫だと、約46gが適量です。
※おやつなどの量は、1日の摂取カロリー量の10%とし、残りの90%は総合栄養食(キャットフード)を与えましょう。
1日の摂取カロリーからみた猫に与えてよいスイカの量 | ||
猫の体重(kg) | 1日の摂取カロリー | スイカの適量(g) |
3 | 160 | 39.0 |
3.5 | 175 | 42.7 |
4 | 190 | 46.3 |
4.5 | 205 | 50.0 |
5 | 220 | 53.7 |
5.5 | 235 | 57.3 |
6 | 250 | 61.0 |
猫がカリウムを過剰摂取すると
スイカに含まれるカリウムの量は、スイカに含まれる他の栄養素と比べて多いです。
<カリウムの働き>
カリウムは、細胞内のナトリウム量を調整し、余分なナトリウムと水分を細胞の外に出す働きをしています。※ナトリウムには食塩が含まれています。
また、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防ぎ、尿と一緒に体外に出るようにうながします。
カリウムが不足すると
カリウムの摂取量が不足すると、ナトリウムの排泄ができなくなり、高血圧を引き起こしやすくなります。
また、低カリウム血症が起こり、筋肉活動が低下して、疲れたようにぐったりした症状が出ます。
カリウムを摂りすぎると
猫がカリウムを過剰摂取すると、高カリウム血症を起こし、心臓機能がいちじるしく低下してしまいます。
余分なカリウムは尿と一緒に排泄されますが、腎臓に負担がかかるので、腎機能が低下している猫には注意が必要です。
スイカの与え方
種は必ず取って、果肉だけを細かく切って与えます(皮は与えない)。
種を飲み込んでも小さいのでのどに詰まりにくく、また、消化されないのでそのまま便と一緒に排泄されます。
しかし、猫が種をかむと、種に含まれるアブシジン酸いう毒素が出て、消化酵素の働きを妨げ、胃腸やすい臓に負担がかかる可能性があります。
「大量に摂取しない限りだいじょうぶ」と言われていますが、これは人間の場合で、体重が人間の10分の1、20分の1の猫にとっては負担になります。
子猫や老猫に与えてもだいじょうぶ?
成長期である生後6ヵ月までは、総合栄養食だけを与えます。6ヵ月を過ぎた頃からおやつなどを与えても問題はないとされています。
ただ、スイカに興味のない子もいますので、「欲しがったら少しあげる」を原則としましょう。
15歳以上の猫の81%が慢性腎臓病と言われています。
なので、腎臓病の療法食を食べている老猫も多いと思います。療法食以外は与えてはいけませんが、欲しがったら少し舐めさせる、かじらせる程度ならよいと思います。
まとめ
健康な成猫に、スイカを食べさせても問題はありません。
腎臓や心臓の病気をかかえている猫には与えないようにしましょう。
与えてよい量は、「大さじ1程度」か、「体重4kgの猫なら約46g」が適量です。
種は必ず取り、果肉だけを細かく切って与えます(皮は与えない)。
6ヶ月未満の子には与えない。老猫は、欲しがったら少しあげる程度。