猫のワクチンの副作用はまれなケース?よくあるケース?

猫のワクチン接種は、感染症を予防するための効果的な一つの手段です。

しかし、ワクチンで100%感染症を予防することはできません。ワクチンの副作用により、まれに、容体が重篤になる猫もいます。

また、毎年ワクチン接種をしてきて、一度も副作用がなかったので、今回もだいじょうぶだとは、多くの事例から言い切ることができません。

この記事では、猫のワクチンには、どのような副作用があるかをまとめています。

 

一過性の副作用

一過性の副作用として、各ワクチン製造販売業者は、次のようなことをあげています。

・食欲減退
・発熱
・注射部位に硬結(こうけつ:かたくなること)
・元気消失
・下痢、粘液便
・嘔吐

一過性なので、数日後に回復するケースがほとんどのようですが、体調が悪化するケースも報告されています。

 

過敏な体質の猫の場合

各製造販売業者のワクチンの使用説明書には、「過敏な体質の猫では、まれに」から始まり、次のようは副作用が書かれています。

・アレルギー反応:顔面腫脹(ムーンフェイス/がんめんしゅちょう:顔が腫れること)、掻痒(そうよう:かゆくなること)、じん麻疹

・アナフィラキシー反応:虚脱、貧血、血圧低下、呼吸促拍、呼吸困難、体温低下、流涎(りゅうぜん:よだれを流すこと)、ふるえ、痙攣(けいれん)、尿失禁

過敏な体質とは、アレルギー体質のことです。例えば、アトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギーなどがあげられます。

ここでは、ワクチンがアレルギーの原因になっています。

アナフィラキシー反応は、注射後30分以内、あるいは、1時間以内に発現することが多いと言われています。

 

最も多い副作用は?

AAHA(全米動物病院協会)によると、最も多い副作用は、「発熱をともない眠ったようにぐったりする」症状です。

そして、注射をした部位の腫れや痛み、おう吐、顔面または目の周辺のむくみや腫れ、全身性のかゆみ、の順になるとAAHAは報告しています。

 

副作用のリスクはどれくらい?

AAHA(全米動物病院協会)のレポートには、ワクチン接種から30日以内に副作用が起こる確率は0.52%(10,000匹につき51.6匹)。0.52%の内92%が、接種後3日以内に発生していると書かれています。

副作用のリスクは、1歳前後の猫に最も多かったことと、投与されたワクチンの種類が増えるにつれてリスクが増すことが付け加えられています。

アナフィラキシー反応に関しては、投与されるワクチン10,000回に1~5の頻度で起こると書かれています。

また、アメリカのコーネル大学の猫科ヘルスセンターによると、投与されるワクチン10,000回に1~10の頻度で、アレルギー反応を起こす猫がいるとしています。

以上のことから、数字をみるかぎり、ワクチンによる副作用は”まれ”であると言えます。

 

猫のワクチン接種を受ける時間

ワクチン接種をして帰宅後、猫に異常が起こることも多いので、午前中におこなうようにします。

そして、獣医さんの指示があると思いますが、注射後最低30分くらいは動物病院にとどまり、様子をみるようにします。

つまり、動物病院の午前中の診察が終わる1時間前には接種を済ませましょう。

ワクチン接種後、その日に必ず「予防接種証明書」というのが発行されますので、大切に保管しておきましょう。

動物病院を変えたとき、予防接種証明書を獣医師に見せるようにします。また、ペットホテルに預けるときなどは、予防接種証明書が必要になる場合があります。

参考
「Adverse Postvaccination Reactions」AAHA Guidelines
「Feline Vaccines: Benefits and Risks」Cornell Feline Health Center

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