猫が魚肉ソーセージを食べても大丈夫?健康を守るための注意事項とは?

「猫が魚肉ソーセージを食べても大丈夫なのかな…」と心配する飼い主の方もいるでしょう。猫にとって安全な食べ物かどうか、気になるところです。

基本的に、人間用の加工食品をペットに与えてはいけません。猫が魚肉ソーセージを少し食べた程度なら、猫の様子をみて、その後元気にしていれば、一般的に問題はありません。

しかし、猫にとって魚肉ソーセージは嗜好性が高いので、味を覚えてしまうと、その後、欲しがるようになる可能性があります。

この記事では、「魚肉ソーセージの成分と猫への影響」などを解説しています。猫の食事について不安を感じている方も多いかもしれませんが、この記事を読むことで安心して猫の健康を守るための知識を得られます。ぜひ参考にしてください。

 

猫に魚肉ソーセージを与えるべきではない理由

大好きな愛猫には、美味しいものを食べさせてあげたいと思うのは当然のことでしょう。しかし、一見美味しそうに見える魚肉ソーセージ(フィッシュソーセージ)は、猫にとって実は危険な食べ物なのです。猫の健康を第一に考えるなら、与えるべきではありません。

 

タマネギ成分の危険性

魚肉ソーセージには、「たまねぎ」または「オニオンエキス」が含まれています。タマネギ類は、猫に与えてはいけない食材のトップにあげられるほどです。

タマネギには、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれています。アリルプロピルジスルフィドは、「有機チオ硫酸化合物」の吸収を高めます。

有機チオ硫酸化合物は、タマネギ類に含まれる成分で、猫の赤血球を破壊する作用があります。赤血球が破壊されると、貧血を起こします。進行すると、赤血球から放出されるヘモグロビンが、腎臓に障害を与え、急性腎障害となり、命を落とす場合もあります。

猫がタマネギを80g食べると上記のような危険な状態になると言われています。タマネギ80gというと、小さい玉ねぎの半分ほどです。

小さい玉ねぎの半分は、猫にとっては相当な量だと思われます。魚肉ソーセージに含まれるタマネギの量は少量とはいえ、個体差があり、貧血、嘔吐、下痢といった症状がでる可能性があります。また、猫に魚肉ソーセージを常食させると、危険度が高まります。

詳しくは、【猫と玉ネギ】調理済み食品で注意すべき危険性と対策という記事に書いています。

 

塩分過多による健康被害

例えば、ある魚肉ソーセージに含まれる塩分は、1本60g当たり1.1g含まれています(上の写真)。環境省は、猫(体重5kg)の1日の塩分摂取量の目安を「0.33g」としています。

実は、多くのキャットフード(ドライ)の1日分は、塩分摂取量の目安である0.33gを超えています。環境省の目安量が低いのかもしれませんが、そこに、魚肉ソーセージを猫に与えてしまうと、塩分の過剰摂取になってしまう可能性があります。

猫にとって塩分は、必要な栄養成分ですが、塩分の過剰摂取は、猫の腎臓や心臓に負担をかけてしまいます。猫は、腎臓に障害がなければ、長生きすると言われていますので、塩分の摂取に注意が必要です。

 

猫に与える香辛料の影響について

魚肉ソーセージに使われる香辛料は、製品によって様々ですが、一般的に、次のようなものがあげられます。

・ジンジャー:辛味と風味をプラスします。
・ペッパー:黒コショウ、白コショウなど、辛味やピリッとした刺激を加えます。
・ナツメグ:温かみのあるスパイシーな香りです。
・シナモン:甘く芳醇な香りで、風味を豊かにします。
・コリアンダー:柑橘系の爽やかな香りです。
・オールスパイス:複数のスパイスの香りが複合した、複雑な風味です。
これらの他にも、カレー粉、パプリカ、ガーリックパウダーなど、様々な香辛料が使用されることがあります。

猫に香辛料を与えることは、一般的に非常に危険です。猫の体は、人間とは異なり、香辛料の成分を代謝する能力が非常に低いため、少量でも重篤な健康被害を引き起こすことがあります。

主な猫への影響として、次のようなことが起こる可能性があります。

・消化器系のトラブル:下痢、嘔吐、食欲不振など。
・神経系の障害:震え、けいれん、呼吸困難など。
・肝臓への負担:肝機能障害を引き起こす可能性があります。
・腎臓への負担:腎機能障害を引き起こす可能性があります。
・アレルギー反応:皮膚の炎症、呼吸困難など。

 

アレルギー反応

これは人間に対してですが、アレルゲンの特定原材料7品目のうち、「卵」と「小麦」が該当しています。

また、ある魚肉ソーセージには、主原材料の魚は、「えび」や「かに」を食べていることを明記してあります。「えび」と「かに」は、それぞれ特定原材料7品目に該当します。

猫にとっても、これらが、アレルゲンになる可能性があります。

 

猫が魚肉ソーセージを食べてしまったら

愛猫がうっかり魚肉ソーセージを口にしてしまったら、飼い主さんは慌ててしまうでしょう。落ち着いて適切な対処をすることが大切です。少量であれば、多くの場合すぐに深刻な症状が出ることはありません。しかし、猫の体質や摂取量によっては、消化器系の不調や塩分過多による健康への影響も考えられます。

猫は人間と異なり、特定の食材に対する反応が予測できないことがあります。急な嘔吐や下痢、元気がなくなるなどの異常が見られた場合は、すぐに動物病院につれていきましょう。夜間でも診療してくれる救急動物病院があります。事前に電話連絡をすることを忘れないように。

 

猫の健康を守るための食事管理の重要性

猫の健康を守るためには、日々の食事管理が非常に重要です。適切な栄養バランスを保つことで、猫の免疫力を高め、病気の予防につながります。特に市販のおやつや人間の食べ物を与える際は、成分をしっかり確認し、猫にとって安全かどうかを判断することが求められます。

 

日常の食事で気をつけるポイント

猫は人間と異なり、特定の栄養素を過剰に摂取すると健康を害することがあります。バランスの取れた食事を心がけ、必要に応じて獣医師に相談することが大切です。

また、新しい食品を与える際は少量から始め、猫の体調を観察することを忘れずに。日常的な観察と適切な食事管理が、猫の健康を守る鍵となります。

 

定期的な健康チェックの重要性

定期的な健康診断では、体重や血液検査を通じて、猫の健康状態を総合的に把握できます。これにより、病気の早期発見や予防が可能となり、猫の寿命を延ばす手助けとなります。獣医師と相談しながら、適切な健康管理を心がけましょう。

 

まとめ

猫が魚肉ソーセージを食べても大丈夫かどうかについて解説しました。

猫が魚肉ソーセージを食べることの問題点は、次の4つです。

・タマネギ成分が含まれているので危険
・塩分過多になる可能性がある
・香辛料が含まれているので危険
・アレルギー反応を起こす可能性がある。

主原材料が「魚肉」なので、猫が喜ぶと思って与えてしまいそうになりますが、人間用の魚肉ソーセージ(フィッシュソーセージ)は、猫にとっては危険な食材です。

スポンサーリンク
猫の食べ物その他
IenekoWebをフォローする
タイトルとURLをコピーしました